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2018年10月9日、アフタヌーンティー・ティールーム 天満屋岡山店にて、紅茶のおいしい淹れ方とミルクティーのアレンジをお楽しみいただいた後、サプライズゲストをお迎えするワークショップのスペシャル版が開催されました。
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はじめに、実施内容の流れをご案内し、アシストをお願いする店長、スーパーバイザーよりご挨拶。そして後半のティータイムにご登場いただくゲスト、岡山県新見市で紅茶農園を営まれている宮本英治さんからもご挨拶いただきました。
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それでは前半のメイン、紅茶の美味しい淹れ方をデモンストレーションでご紹介します。店舗で提供している紅茶と同じ「レディメイド」での淹れ方をお話しします。茶葉をこすため最後まで、一定の濃さでお飲みいただけるスタイルです。ポットを2つ用意し、茶葉を蒸らすガラスポットに熱湯350mlを入れて温めます。茶葉5gを入れたらすぐに勢いよく熱湯を注ぎ、茶葉が上下にジャンピングしながら、旨みなどの成分をじっくり抽出する様子をご覧いただきます。
タイマーで、茶葉を蒸らす残りの時間を確認しながら、ティーポットを温めているお湯で茶こしを湯通しします。口に当たると気になる金属特有の金気(かなけ)を和らげるためです。
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開いた茶葉が、ガラスポットの中で沈んで味が濃くなっているため、スプーンでひらがなの「し」の字を書くようにひとかきして均一にします。茶こしで静かにこしながら、ティーポットに移します。最後の一滴はベストドロップと呼ばれ、ここに紅茶の旨みが凝縮されると言われています。
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それでは、皆さまの実践です。ガラスポットの、熱湯が入る上部まで手首を返すようにしてしっかり温めたら、そのお湯をティーポットに移して、ティーポットを温めます。熱々のガラスポットに茶葉を入れると、辺り一面が芳ばしい香りに包まれました。
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熱湯が注がれたら、ふたをして蒸らします。ガラスポットの中で、茶葉が美しくジャンピングをはじめます。茶葉がゆっくり開いて沈んで行く様子を、皆さんじっくり眺めていらっしゃいました。時間が来たらスプーンでひとかきし、最期の一滴に意識を集中して、茶こしで静かにティーポットに移します。ティーカップに注ぐと、深みのある紅い水色(すいしょく:紅茶液の色)が広がります。
淹れたての紅茶をひと口飲んで、皆さん、美味しさを確かめるように大きく頷く方、「美味しい!」と小さく呟く方など様々に、美味しさを表現されています。アッサムとニルギリをブレンドした茶葉の美味しさのみならず、香りの良さも堪能されました。
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引き続き、ティータンブラーを使った、コクのあるミルクティーの作り方と、アレンジをお楽しみいただきます。タンブラーは保温性が高いので、そのまま熱湯を注ぎ、ティーバッグを入れて蒸らした後、取り出して牛乳を加えます。葉は小さな丸い粒の形をしたCTC製法で作られたアッサムを使います。CTC製法(Crash:押しつぶして、Tear:引き裂いて、Curl:丸める)の茶葉を3種類小皿に取り、ご覧いただきました。
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それでは後半のティータイムに移ります。スイーツの盛り合わせと、焼きたてのパンをご用意します。スイーツの、「バニラアイスクリームパフェ」には、アップルハニーヨーグルトをトッピング。中に入れたフルーツの食感もお楽しみいただきました。ヨーグルトに使用したのは、お湯や水を注ぐだけで本格的な美味しい紅茶が楽しめる「ティーパウダー」のアップル。ハチミツがヨーグルトの酸味を和らげ、ほのかなアップルの香りが好評でした。焼きたてのパンは、生地に茶葉を練り込んだ「アップルティーブレッド」に「栗のクリームパン」、「きのこのピッツア」をご試食いただきます。宮本さんの作られる春摘みの紅茶を淹れて、お惣菜系のパンに、こちらの紅茶がよく合うことを体験していただきました。「アップルティーブレッド」、「栗のクリームパン」にも、心地よい渋みとコクの「アフタヌーンティーブレンド」がよく馴染むことなどもお伝えし、スイーツとともにお楽しみいただきました。
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そしていよいよ本日のサプライズゲスト、岡山県新見市で紅茶専用茶樹の栽培から製茶、ブレンドまでをすべて一人で手掛けられている宮本英治さんよりお話を伺いました。
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お話の上手な宮本さんから、新見の丘にある紅茶農園で観られる雲海の様子をはじめ、自然環境の素晴らしさを語られると、目の前にある紅茶が、よりいっそう美味しく感じられるひと時となりました。
宮本さんの、お茶の樹に寄せるおもいや製茶へのこだわりに、皆さん熱心に聴き入っておられました。
アフタヌーンティーでは「紅茶は農である。土に触れずして紅茶は語れない」という紅茶生産者である宮本さんの言葉に共感し、スタッフ自ら茶葉を育てるために、宮本さんが「日本のダージリン」と呼ぶ岡山県新見市に、今年3月「Afternoon Tea TEA GARDEN」をスタートしました。植樹の直後には思いがけず虹が出るほどの、夢のような演出もあり、紅茶の樹を育てるという、希望に満ちたTEA GARDENのはじまりとなりました。
育って行く苗木たちと共に、これからも、紅茶のある毎日を作って行きたいと思います。