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2018年3月、岡山県新見市で、紅茶生産者の宮本英治さんが営む紅茶農園『アーリーモーニング』の一角に、Afternoon Teaの国産紅茶のプロジェクトとして「Afternoon Tea TEA GARDEN」をスタートしました。あれから5年の月日が経ち、全国のティールームのスタッフ総勢19名で、初めての収穫としての茶摘みと、紅茶作りを体験してきました。
紅茶農園 アーリーモーニング
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生産者の宮本英治さんが「日本のダージリン」と呼ぶこの地は、朝晩の気温差が大きく、「風の聖域」と名付けられているほど山頂からは心地よい風が吹き込んできて、紅茶作りに最適な環境だそうです。
生産者 宮本英治さん
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岡山県生まれの宮本さんは、紅茶に魅せられ、日本で紅茶作りをしたいと思い、教育委員会での仕事を辞め、35歳のときに岡山県新見市大佐にある大日高原に移住。 ペンション、紅茶専門店をオープン、念願の紅茶農園を開園。 10年かけてようやく紅茶の樹たちは育ち、9年前から紅茶づくりを始めました。紅茶農園を開くと心に決めて25年目にして、ようやく努力が実っています。
茶摘み体験
2023年7月某日。前日まで雨が続いており、当日もお天気が心配されましたが、奇跡的に晴れて絶好の茶摘み日和に!紅茶に携わるスタッフの一員として、茶摘み体験をしたい!という強い思いをもって、北は仙台から南は沖縄まで、全国のティールームのスタッフが岡山の地に集いました。
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5年前に植樹した木が成長し、みんなで茶摘み!
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日除け対策もしっかりして、広い茶園に生い茂る茶木の芯芽を探します。
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摘んだばかりの芯芽を口に含むと、青々しい香りが広がります。
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「一芯二葉」は、茎のいちばん先端にある芽の部分とすぐ下にある2枚の若葉を摘み取る大変ぜいたくな摘み方です。先端の芽はまだ開いていない芯芽であり、日光に多くあたっていないため香り成分をたっぷり含んでいます。
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みんなで摘んでもなかなかいっぱいにならない籠。
お店で毎日提供している紅茶がどれだけの人が関わっているのかを想像して、改めて茶摘みの大変さを実感しました。
紅茶づくり体験
紅茶作りの工程には「萎凋(いちょう)」、「揉捻(じゅうねん)」、「玉解(たまとき)」、「発酵」、「乾燥」があります。今回は「揉捻」と「玉解」を実際に体験し、各自紅茶作りに挑戦。
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紅茶を茶葉の状態から一から作るのは、全員初めての経験で、宮本さんのレクチャーに真剣に耳を傾けていました。
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水分を半分ほど蒸発させるための工程「萎凋」を経た茶葉を、密閉袋に入った状態でしっかり発酵させるよう葉に傷をつけていくように揉んでいく「揉捻」の作業を実践。
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時折空気を入れ替え揉みこんでいくと、茶葉から水分が出てきて、葉の色がだんだんと変わっていく様子がうかがえました。手の温度によっても発酵具合に違いが生まれます。
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「揉捻」を終えた茶葉を、細かくカットして「玉解」を行っていきます。茶葉が細かいほど、ミルクティーに合うアッサムのような味わいに。粗目にカットすると、ダージリンのような青みのある味わいになるとアドバイスをいただき、各自思い思いに作業していきました。
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「発酵」「乾燥」を終え完成した紅茶は、宮本さんが1杯ずつ丁寧に淹れてくださいました。
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同じ茶葉、同じ工程で作られた紅茶でも、それぞれ水色(すいしょく)も味も異なりました。
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お互いの紅茶を飲み比べて、味の違いを実感。
今後に向けて
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わたしたちが植樹して育ったAfternoon Tea TEA GARDENでの初めての茶摘みを通して、紅茶の奥深さや、紅茶を提供するスタッフとして大切にしていきたいことを、一人一人があらためて感じた体験でした。
Afternoon Tea TEA GARDENは、まだまだ5年目と若い茶木の茶園なので、よりたくさんの茶葉が収穫できる茶園になるよう育てていく予定です。
過去の記事はこちら
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